創作について

アートとデザインの違い

別にどうでもよい、という結論なのですが、絵を描いてる人はきっと誰しも思うであろう「アートとデザインの違い」について考えてみようと思います。

アートとデザインの概要

アート(美術)の歴史と概要

古代は洞窟などの壁画に動物や神などのシンボルが描かれました。中世からはキリスト教の啓蒙活動のために聖書の内容がひらすら絵画に取り入れらました。そして沢山の画家達による固定概念の打破により、様々な絵の表現手法が確立されていきました。
「今はこの描き方だけれど、自分はこの描き方がいいと思う」というような、自己表現。それを見た鑑賞者との対話。一種のコミュニケーションのようです。

デザインの歴史と概要

美術より歴史が浅く、19世紀後半の産業革命をきっかけでした。当初作られた工業製品は粗悪なものが多く、機能美を持ったデザインを求めて運動が起こりました。現代の我々が使用している道具、家具はすべてデザイン物です。デザインの原点は問題解決にあります。ユーザー第一主義です。駅の案内板や商品のパッケージもまたユーザーのためにあります。

一般的に言われるアートとデザインの違い

アートは自己表現、デザインは問題解決が一般的な解釈です。
アートは成果にとらわれない自由な表現であり、それを気に入るお客がいれば買えばいい。
デザインは顧客第一主義で、成果のためにこちらからお客を選んで買ってもらえるようにつくるもの。
アートは自分のため、デザインは相手のため。

しかし、どちらにもそれぞれの要素は少なからず混入してしまいます。キリスト教美術は鑑賞者第一に描かれました。自己を失くした画家が描いた絵画もあるでしょう。デザイナーも、「美」という自己表現も込めてデザインに取り入れたはずです。工業デザイナーにとって、椅子のデザインは特別なものと聞いたことがあります。表現しやすいからだと思います。
イラストやマンガの制作依頼を受けて、クライアントの要求に応えて制作物をつくる。外側から見たらデザインの範疇に見えますが、そのクライアントは制作者のアート性に惹かれて依頼したのです。(コネが上の場合もあり)

実は社会もよくわかっていない

高校はデザイン学科のクラスに入りました。そこでは絵をひたすら描いて、目ぼしい作品はコンクールに応募され、何人もの生徒が受賞していました。賞をもらえる絵とそうじゃない絵の違いが分からず、とても悩んだ時期もありました。唯一、二科展のデザイン部で入選をいただいたことがありますが、何がよかったのか未だによく分かりません。この迷想の結果、分かりやすいからという理由で工業デザインへ進んでしまいました。
このクラスの名称は今では芸術学科に変わっています。もしかしたら、学校側もアートとデザインを混入して考えていたのかもしれません。個人がよく分かっていないものを、社会はよく分かっているとは限りません。


ついでに受賞した絵を載せておきます。

さいごに

アートとデザインは、非営利か営利目的かの違いに一見見受けられるけれど、どちらも本質的にはあいまいなものである、ということが個人的回答です。ですので最初に、別にどうでもよいと結論付けました。
世間はカテゴリ分けが好きです。しなければならない場合もあります。ひとつ調べものをすると、あれもこれもと繋がっていると分かることがあります。しかし、ジャンル分けしなければ調べものを選ぶこともできません。カテゴリ分けされた資料が並ぶものを見るとスッキリ感じます。このスッキリさせるのもデザインの特権ですが、中身は様々な感情うごめくアート。表裏一体のものかと思います。