創作について

「好きなもの」は描けるものとは限らない

それぞれ好きな絵柄、塗り方、趣味趣向があります。
「なんて素敵なイラストなのだろう、自分も描いてみたい」と思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、いざ描いてみると描けない。手が動かない。意図しない絵柄になる。そういうことが多々あります。

店先でいいなと思う衣服を見つけて試着してみる。創造と違う、思ったより似合っていない。
自分の骨格や肉付き、顔のパーツによって似合う服はある程度決まってしまいます。

好きな服と似合う服は違います。

好きな絵と描ける絵も違うのです。

私を例にして挙げるならば、私は可愛らしい萌え絵が描けません。
SNSでいいねやリツイートをもらえる絵とは美少女のアニメ絵が主流であったりします。

私は技術もありませんが、それ以上に本当に可愛い絵が描けないのです。
マカロンを描こうとしたら、ドロドロに溶けたチョコレートのようになってしまうのです。
絵は勝手にリアル寄りに手が動いてしまいます。鼻の穴とか描きたくなります。

憧れの絵柄はあるのに身体がそれを抵抗する。創造と違う絵柄ができあがる。でも意外にも、そちらの方がよかったりします。
上辺だけの憧れでは自分すらコントロールできないということになります。

上辺だけの憧れ。服も同じかもしれません。
本当に似合う服とは自分と適合した、ふさわしい素材、色使い。それは深層心理とも紐づいています。

自分を最大限に活かせる、ふさわしい絵柄とは、これもまた心の奥の奥が本当に求めているものが反映されているのかもしれません。

創作とは自身の探求に他なりません。
つくり出す中で、自分の考えを外に出す、新たな発見をする。これをする度に自身を癒すことになります。
自分を探求しながら癒すのです。

それぞれ本当に求めているものが心の奥にあるはずです。
それこそが、適合した絵柄、いちばん魅力的に見せることができる絵となります。

他の人と違っていいのです。いや、絶対違うはずです。
自分と同じ人なんていません。

ある程度練習して別の絵柄に適応することは、絵を仕事とするならば必要なことになります。
しかし、これを続けていくと心がすり減っていきます。自分に嘘をつき続けているようなものですから。
心がそれを割り切っている人が続けられる人であって、ただ好きだからという気持ちだと続けることは困難となります。

創作はそもそもビジネスにするには難しいのかもしれません。
ビジネスにしたいなら、自分を癒し、相手も癒すことを考えなけばいけません。まず自分を癒しましょう。

「好きなもの」よりも「欲している」を重点に描いてみたら、本当の適合した絵柄が見つけられると思います。
こんな絵が描きたいのに、別の絵になってしまう場合は、抗わずに受け入れてみてください。手が勝手に自分だけが表現できる世界へ導いてくれるでしょう。