創作について

「エモい」と創作

エモい。

「emotional」(感情的)の単語から派生した若者言葉。ある対象に対して、感情が揺り動かされた状態のことをいいます。

創作物とは鑑賞者の心を揺さぶるために創られているようなもので、この感情とは密接な関係があります。
当たり前にこの言葉が使われている昨今、この「エモい」感情について紐解き、創作との関係を考察したいと思います。

エモい感情が沸く創作の具体例


感情が揺さぶられるとは、どんな時でしょうか。

ノスタルジー

ある風景を見て、どうしようもない懐かしさ。郷愁。
夕暮れ時の黄昏、夜に煙が上がる家々、青空の下にある田園風景、廃墟・・・などなど。
初めて見たのになぜか懐かしさを感じる時があります。懐かしすぎて切なく感じます。

感動

景色なら、晴れ渡る青空、夜空に広がる満点の星。
人間ドラマなら、多人数が一致団結する様など。
まるでジェットコースターを下る感覚というか、清々しさを感じます。

ときめき

初々しいカップルのいちゃいちゃ風景、またはその一歩手前の様子。
非カップルでもそれへの発展を匂わせるような様子。
それを見てこっちまで胸がキュンとする感じです。

哀愁

アンハッピーエンドに見られる、悲恋や救いのない悲しみ。
清々しさとは反対の重苦しいかんじ。雨の夜景、雪景色などの風景にも感じることができます。
悲しみもまたエモし。

創作別に見る「エモい」

それぞれが持つ「エモい」があると思いますが、個人的に感じるものをここでは例に挙げていきます。

イラスト


エモいと言われるイラストは、光と影のコントラストが強く美しいものが挙げられます。
他に透明感があり、色彩豊かであるものはエモく感じ取られやすいです。

アニメ


出典:amazon.co.jp ©2017「月がきれい」製作委員会

物語を楽しむ前提を一括りにしています。
ストーリーや演出などでエモさを感じます。

例に挙げたアニメ『月がきれい』は中学3年生同士の純愛ものです。男女が初々しすぎて、人によっては精神に支障をきたします。
他にエモい代表作品に『サマーウォーズ』『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』などあります。

名作とよばれる作品はどれも心揺さぶられるものであり、つまり面白いものはどれもエモいです。
アニメばかりになりましたが、漫画、小説、映画もこの部類です。

音楽


n-bunaさんによるボカロ作品『アイラ』
今になってハマっています。この突き抜けるような映像と曲調が情緒を揺さぶりにかけます。
従来の曲調には当てはまらないボカロ作品は、エモいものであふれています。


ゲーム『ナムコクロスカプコン』のOPも挙げておきます。
ナムコとカプコンのゲームキャラクターのクロスオーバー作品です。知っているキャラ同士が作品の垣根を越えて交流することは、ファンとしてはエモさ以外の何ものでもありません。キャラを知らなくてもこのOPは熱いです。

エモい創作とは何なのか

情緒を感じる創作には以下の共通点があります。

  • 懐かしいもの・レトロ
  • 新しいもの・先進的
  • 感情的なもの・喜び、悲しみ

昔のものと位置づけられる平成・昭和のシンボルなどの懐かしみ。
今までに見たことも聞いたこともない新しいものへの感動。
感情移入により揺さぶられる感情。

以上のものが相まって、エモさを感じるのではと思います。

エモくない作品があってもいいじゃない

感情を揺さぶるものは印象に残りやすく、人気作品にもなりやすいです。
しかし、エモいだけが創作ではありません。

心落ち着くもの、素朴なもの。それにも創作物の価値は十分にあります。
逆にエモいものに刺激を受け続けることは身体にとってどうだろうかと思います。
「この絵、落ち着くから好き」でも十分です。

さいごに

若者言葉ゆえに若者に使われる「エモい」刺激に敏感な世代特有だと思います。
しかし、平安時代では似た意味に「あはれ」という言葉が使われていました。いつの時代でも感情というものは普遍なのですね。
我々が創作をする際に、鑑賞者にどういう感情を感じてもらいたいか。それを考えながらつくることはエモさに繋がり、説得力の増幅になると思います。素敵な創作ライフを。